SFではなくドラマ。
「ファーストマン」の内省的要素を更に煮詰めに煮詰めて、「父」という存在を「子」の視点から問う作品。
数少ない娯楽的シーンも「宇宙の脅威」というよりかは「精神性」が焦点。
全体的にも「破綻に向かう精神根拠を探る」側面が強調されていたように思う。
アクションシーンがかなり地味なので、「インターステラー」級の娯楽性を求めて行くと「肩透かしも度が過ぎるだろ!」って怒りたくなるかも。
劇中、様々な人間が規則や倫理を破って行動をする、あるいは「しない」。
各々がそれに至る意志を感じながら、我々は深淵へと誘われる。
「人を人たらしめるための矜持」は極限の空間では枷でしかないのかもしれない。
序盤の会話シーンの画の変わらなさは、もうちょいどうにかならんかったのか。図を示すだけでもその後の展開への理解のための助けになったはずなのに。
この部分の適当さも含めて「会話」が要らない映画なんだなあと。
ちんまり。
宇宙の「黒」を堪能するためにはImaxよりドルビーシネマのほうが良さそう。