ゆっけ

アド・アストラのゆっけのレビュー・感想・評価

アド・アストラ(2019年製作の映画)
4.0
SFドラマ。確かに、静かだし、渋い。けれど、自分は結構好きな映画でした。
なんだか、噛めば噛むほど味が出るような"するめ"映画な気がします。

冒頭のワンシーンや月でのカーチェイス、ある動物のアレ(『エイリアン』的な)、銃撃戦など、エンタメ的な要素もあったりもするけれど、なぜだか、そこまで盛り上がらない。

宇宙もののキラキラしたアドベンチャー要素はもちろんなし。『オデッセイ』のように軽快な音楽も、『ゼロ・グラビティ』のような、宇宙的な緊迫としたハラハラした展開も少ないですし、『インターステラー』のような重厚さや壮大な感じもありません。

『ファースト・マン』は、家族を犠牲に、未開の地へ行く開拓者の実話で、仕事を第一に考える価値観などは似ている気がしました。ただちょっと、無敵すぎるというか、ちょこちょこ展開が無理やりな気がするので、『ファースト・マン』のリアル感や重厚感もないんですよね...

ただ、難解な映画ではないし、そこまでアート系映画という感じもしませんでした。冷静沈着として、何事も動じない主人公が、父親の影を追いながら、ある一面をトレースしていく姿が面白い。月が観光地として存在するような、今の現代のちょっと未来のあり得るような世界が舞台。

最初から最後まで、ブラット・ピット(ロイ)がずっと出ます。ザ・ブラピ映画。
行方不明だった父親を追い求め、月→火星→海王星と移動しながら、いろいろと内省し、主人公の心理が変化していきます。

メッセージ性もある(オチがあれだからこそ)し、そこそこ楽しませてくれる展開もあって、めちゃくちゃ眠い映画なのかなと思ったら、そうでもなく、いろいろあるけれど、2時間でよくまとめられている、不思議な魅力がある映画でした。
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