さん

草の葉のさんのレビュー・感想・評価

草の葉(2018年製作の映画)
4.0
クラシックがかかってる喫茶店で、イヤホンで違うクラシックをききながら、他人の会話がきこえてくるうちに、会話が思考を侵食してきて、いろいろなことを想像する感覚。結局そこから派生して自分の悩みに行き着く。他人の会話と自分の思考が結びつく面白さ。
喫茶店でかかる音楽は選べないし、その音楽と自分が聴いてる音楽と客の会話のノリやタイミングも合うことはない。そもそもそんなの気にしてない、みたいなことをそのままやってるように感じた。ミスマッチとかのレベルではない。ああここがゴダールみたいなのか。
たまに上の空になる感覚はピンボケで。

この作品は、ホン・サンス作品お馴染みの、気づいたら微笑んでしまうような言い合いではなく、どこか悲痛さが漂ってる言い合いや会話ばかりだ。自殺、死。
喫茶店は、チャカチャカしてたり、しんみりしてたり、色んな雰囲気があるけど、そこにある会話の深度はその雰囲気の種類に縛られない。

まあでもよくわからない。階段とキム・セビョク。ノイズではない。
さん

さん