下界に降りてきたマ・ドンソク
ストーリー
かつてはボクシングのチャンピオンの座に就きながら、暴力沙汰によりコーチの職を失ってしまったギチョルは女子高の体育教師として働いていた。そんな中、行方不明となった同級生の行方を捜すユジンと出会う。こつ然と姿を消してしまったその生徒を、他の教師は単なる家出と取り合わず、警察の捜査もまったく進展が見られなかった事に疑問を抱くようになり…。
主演 マ・ドンソク
共演 キム・セロン
ハリウッドのアナーキー作品に近い雰囲気を感じた。
決して万能ではないマドンソクを久々に観た。脚本は爪が甘く、どうしようもない展開が続くがマドンソク頼みからマドンソクを切望する様になる。
作品の雰囲気は悪くない。
所々でハリウッド作品的な撮り方も見えて、やりたい事が伝わってくるからだ。
それでいてちゃんと韓国映画を忘れないユーモアとマドンソクを立てる演出が成されている。
今作の好きな点は"自然の中にある閉鎖的空間"である。それを演出するのには手こずってはいるが最終的な着地場所は悪くない。
ちゃんと街の雰囲気が悪いんですよ。
こんな街に住みたくないし、人々の冷たさみたいなのも感じれるところが良かったですね。
印象的なシーンは運転するマドンソクの車を俯瞰気味に撮ること。これを見て「そっち系をやりたかったのか」と思わず納得。
そこから見方が変わりました。
ラストがハッピーエンドなのかバッドエンドなのかはわかりませんが、その後を考える余韻はある様に思います。
色々惜しい気もするが、今作でやりたかった"色"みたいなのも見えて好感。
マドンソクがいつもする、可愛さを売りにする演技ではなく、醜男の可愛さみたいな演技も気に入りました。
アジョシの天才子役、キムセロンも大きくなって非常に頼もしかったです。
ただ、タイトルの「守護教師」はあまりハマってないかも。1時間15分の良い場面で音響のマイクが映るのも良くない。タイトルはもう少し捻り出せそう。