chamax

jamのchamaxのネタバレレビュー・内容・結末

jam(2018年製作の映画)
1.9

このレビューはネタバレを含みます

最初に言っておきます、メインキャストのファンです。それでもダメでした。本当にダメでした。

なまじっか予告が良かったせいで期待してしまったのがいけなかったのか…

アイドル演歌歌手ひろしとミザリーじみたストーカー昌子のパートは、
昌子のヤバオタク語りやキモいスープといい最初はすごくよかったのにストーリーの核に粗が多すぎてどんどん馬鹿らしくなっていったのが残念。

ひろしは何故か逃げようと焦るわけでもなくすぐ従順に曲作ってるし、それでいて昌子相手にイライラした態度をぶつけちゃってるしで恐怖で萎縮して従っているわけでもなくただひたすら緊張感がない。

それどころか自由の身になっても普通に仲良く車待ってるのおかしいでしょ?!
昌子の目的が「明日のコンサートで私のために作った歌を歌わせる」ことなのでそこまで宥めすかして逃げるつもりなのかと思えば、普通に誰に打ち明けるわけでもなくステージに立つのはもっとおかしい。
曲順による意趣返しはフラグ立ちまくりでわかりやすかったけどちょっぴりスカッとした。
でもそんな事してる場合じゃなくない??てかこの世界観だと絶対ザル警備だからそんなことしたら殺されない??と思っていたら斜め下を行く展開に…

チンピラコンビが指輪1つのために会場ひとつ丸ごと襲うのも儲けも勝ち目もなくて意味不明だし、(入り前に襲うんだと思ってたからトイレのシーンは最初意味がわからなかった。気付いて閉口した。)
しかも本当にスタッフも警備もいないし!

復讐に燃える男テツオのパートに至ってはストーリー全体として見た時にもうこれ、いるか?ってレベル。
テツオのばあちゃんは石ころぼうしでも被ってるの?
あれだけのチンピラ集団が寄ってたかって殺しに来といてばあちゃんを利用しようともしなければ
川に落ちたばあちゃんを助けるテツオをぼーっと見てる。
何待ちの時間だこれ つーかなんでいつもロックかけないんだ?
「このばあちゃん実は死んでんの?」って怪しんだぐらいおばあちゃんが「小道具」でしかない。
軋む車椅子を押しながらお迎えに行くシーンの不気味さや、トンカチ無双するシーンは良かっただけに残念。

お人好しのタケルのパートもギャグはしょうもないわオチなくブツ切りだわ、何あの神様のシーン…変な宗教にひっかかった、とかじゃダメなのか…
監督は「変態っぽく、気持ち悪く」と演技を指示していたらしいけど、別に物語に対してそのキャラクター性が何も作用していない。ただのバカがつくほどのお人好しじゃダメだったのか。

ストーリーの核が機能してないからもうちまちまチマチマどうでもいいことまで気になってしまって完全に後半冷めていた。
昌子の気持ちに絆された?ように急に何かに目覚めるひろしの流れも唐突だしなんかいい話っぽくしようとしていて気持ち悪い。

冒頭でいきなり山場を見せるのも、この手のストーリー交錯モノでたまに見る演出ではあるけど、
そこに至るどんでん返しも特に無いためただのネタバレになっていて意味不明。

全然交錯してないんだよなあ…後出しジャンケンで接点を足した感じで意味がない。その上オチも投げっぱなし。
三本の別々の糸をセロテープで団子状にしたら元に戻らなくなって捨てた。そんな感じの作り。
続編をやるべき作品ではないです。
つーかそのためにオチぶった切ったろ感。

メインのファン層に反して割とダーティな作風の映画も作ってくれるところは好きだし続けて欲しいなあ、とは思うのですが、いかんせんクオリティが…役者の演技は良いのに勿体無いし、正直言って可哀想。
好きなジャンルの作風、雰囲気だっただけに落胆が大きいです。
ファンの規模が大きいから舐められてるのかな、としか思えなかった。

あとさあ画太郎オチいい加減やめようや!
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