鳩さぶれ

アマンダと僕の鳩さぶれのレビュー・感想・評価

アマンダと僕(2018年製作の映画)
3.7
便利屋として働く25歳(24?)のダヴィッドは、パリでシングルマザーの姉と姪っ子のアマンダと穏やかな日々を送っている。
そんな日常にある悲劇が襲い、姉の命を奪ってしまう。
残された姪っ子アマンダとダヴィッドの物語。

人の死について真っ直ぐ進めなくて、戻ったりもするけれどやはり時間は淡々と過ぎていくし、環境は変化していく。

リディアと再会するシーン、姉の死を知らないリディアに真実を言い出せないダヴィッドであるが、
葛藤しながらも去り際にリディアを追い掛けて姉がこの世にいないことを告げる。些細なディテールに、迷いながらも前に進もうとするダヴィッドやアマンダの心情が現れています。

とてつもない悲しみに見舞われたとき、優しい言葉や気遣いは無力なように思う。
抱きしめること、肌の温もりが人の心を溶かしていく様子が印象的でした。

7歳って子供だったり聞き分けがあって大人だったり、多感な時期なのでしょう。
ただ、「今夜は一緒に居たい」と駄々をこねるアマンダに「予定が狂うだろ…」とダヴィッドが嗜めるシーンの後、
記者のインタビューを受けている途中、ダヴィッドは些細な言葉のニュアンスからインタビューは中止を申し出るシーンが差し込まれる。
まさに、大人も一緒なのよ。線引きなんてできない。

ダヴィッドが「一緒に居て耐えれそう?」とアマンダ「今にわかるわ。」何この大人の女の返し…わしはできん……

何処にでもいるような、少し飄々としてだらしないところもあるんだけど人に愛されるダヴィッドの配役もすごく良かった。
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