ほおづき

アマンダと僕のほおづきのレビュー・感想・評価

アマンダと僕(2018年製作の映画)
4.0
『サマーフィーリング』と同じ監督さんの作品で、同じように淡々として多くを語らない邦画ぽいフランス映画。
設定もよく似ていて、こちらは姉を亡くした男と母を亡くした娘がお互いに傷を癒していくっていうおはなしで、同じく夏の物語。

喪失感のある夏の物語って『エヴァ』を思い出すんだけど、夏にある種の空虚感を感じるのって日本人だけじゃないのかって思ってた。
ハリウッドなら、こういう物語で夏は選ばないなぁって漠然と思いながら観てた・・・。
 

『サマーフィーリング』と比べると、あちらは死因もわからず公園で突然すこーんって亡くなって、そもそも亡くなってからその人の名前を知るっていう展開に、一瞬置いてかれる感あったけど・・・こちらは、それまで親戚のおじさんと姪っ子なだけの仲の良い関係だった二人が、突然一緒に生活することになって戸惑い、周囲が一変してイラ立って衝突してしまうっていうわかりやすい葛藤がある。

それでも徐々に互いの喪失感を癒しあって行く過程は、人物達の機微が描かれていて、やはりどことなく邦画っぽい空気感があっていい。
テニスの試合と自分の境遇を重ね合わせていくラストのシーンは良かった。