マイノリティ

テルアビブ・オン・ファイアのマイノリティのレビュー・感想・評価

4.6
めちゃめちゃ良かったです!

エルサレムに住むパレスチナ人の冴えない青年サラームは人気ドラマ「テルアビブ・オン・ファイア」の主演女優のフランス人にアラビア語を教えるスタッフです。

イスラエルに撮影所があり自宅に戻る為には検問所でIDを見せなければいけません。

その検問所の司令官で軍人のアッシに次回のドラマの台本が見つかり、アッシはサラームを脚本家だと勘違いします。

元々そんな才能の無いサラームですが、脚本に行き詰まった時、相談したアッシの考えたセリフやシーンが採用され、本当に脚本家に抜擢されます。

ドラマの内容がパレスチナとイスラエルの紛争が舞台でパレスチナ人の女スパイとイスラエルの軍人の禁断の恋物語です。

セリフや演出に行き詰まったサラームは頻繁にアッシに相談に行きます。

アッシの家族もドラマの大ファンで自慢したい為に初めは機嫌良くサラームの相談に乗ります。
しかし段々エスカレートしたアッシは無理な内容をサラームに要求し、挙句、サラームのIDを取り上げ、イスラエル側を良くする脚本を書け。と脅迫をします。

またサラームは元カノ、マリアムの事も忘れられず、彼女とのやり取りをドラマに織り交ぜたりして想いを伝えようとします。

果たしてサラームはアッシを納得させる事が出来るのか?

マリアムとヨリを戻せるのか?

素晴らしい作品でした!

パレスチナとイスラエルとの長きに渡る戦争による両国の人の思いや確執が生々しく、時に皮肉を込めて描かれています。
しかし、コメディタッチな演出が、とても観易かったです!

マリアム役の女優さんが綺麗だったです!

今作の監督はパレスチナ系のイスラエル人で、この監督で無ければ描けなかったラストだと思います。

これは違う視点で描いた「戦争」映画だと思いました。

パレスチナとイスラエルの紛争やオスロ合意などを知っておけば、もっと楽しめたと思いました。