安いポルノ映画でなく、がっつり社会派の映画。
異常な性欲を持つ娼婦のムイと、彼女に客を取らせる三人の夫。
ムイは明らかに香港という国の比喩であり、三人の夫は、清朝、イギリス、日本であろうか。清から生まれてイギリスや日本に差し出され、それでも彼女を完全に満たすことは出来ない。貧しい漁村に様々な人々が集い、富を吸収して世界有数の経済都市に変貌し続ける底無しの欲の都市香港は、ラストシーンで突然モノクロの世界になり、赤色だけが世界に映える。
変貌し続けた香港とそこに介入しようとする赤色=中国共産党の関係性を示すラストシーンは間違いなくフルーツチャン監督が描きたかった現在の香港の姿ではないか。
内容がなかなかハードで見るのもキツイものがあるが、こうした裏切られ方の映画も良いかも。
