死力を尽くした者。
30年以上嘆願されていた、ベトナム戦争で危険を省みず多くの兵士を救ったウィリアム・H・ピッツェンバーガーへの名誉勲章授与、その調査のために空軍省のハフマンが生存者から証言を集める、という形で語られる当時のピッツェンバーガーの行動。
知られざる英雄の真実という副題にもあるとおり、ピッツェンバーガーの勇敢な行動は語られるどころか隠されたまま。なので名誉勲章も与えられない。
なぜ30年も頑なに勲章授与を拒んできたのか、理由がわかった時に愕然とする。国の都合に葬られる英雄。
息子を失ったピッツェンバーガーの父の怒りもごもっとも。
もしかしたらこれは氷山の一角かもしれないが、ひとつでも明らかになり、亡くなった息子と父の思いが晴れたのはよかったね。
生存者もいろいろトラウマを抱えたまま生きてきたうえに、自分を救ってくれた恩人について話すことも感謝することもできず、さぞモヤモヤしたことと思うが、そちらも晴れてよかったんじゃないかね。
セレモニーのシーンでよく思うのだけど、アメリカのこういうスピーチ相変わらず上手いな。聴衆に訴えかける感じが。
ラスト・フル・メジャー=死力を尽くした者。なるほどね。