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ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実のparaのレビュー・感想・評価

4.0
究極の自己犠牲と献身。

1人の人間が、たった1人の人間が、多くの人の心を動かしたのはその勇気ある使命感と志の尊さ。
英雄になろうとか、勲章を貰おうとか、出世しようとかではない。
自らの生命の危険を理解した上で、ただただ目の前の負傷者を救いたい、救わなければならない、それだけ。
その尊さに涙が止まらなかった。

もし自分があの場にいたならば、己の身可愛さでピッツにはなれなかっただろうし、
運良く生き残れたならば同じことを考えたに違いない。

空から天使が降りてきた。
本当に、地上兵には天使だったんだろうな。
今ではアヴァロンとなった場所の蝶たちは彼の魂なのかもしれない。

涙がとめどなく溢れ、マスクを通過して首にまで流れる程涙した。
ベトナム戦争での実話を脚色した作品で、実にアメリカらしい作品。
ペンタゴンのエリートであるハフマンが、映画のように出世欲の強い野心家だったのかはわからないが、もし調査の過程が彼の気持ちを変えたのならば、、その正義と誠実もアメリカらしい。
そして米国人は人の心を動かすスピーチに長けている。
最後に関係者の肉声が聞けたのは良かった。

主演のセバスチャン・スタンを支える豪華名優たち。
ウィリアム・ハートやサミュエル・L・ジャクソン、本作が遺作となったピーター・フォンダや
先日不慮の事故で亡くなられたクリストファー・プラマー(の声の張りは凄かった)。

追記
ピッツの母親のセリフが1番堪えました。
息子でなければ、妹の息子だったかも、知り合いの息子さんだったかも。
あの家族の子どもだったからこその自己犠牲の精神なのだと。
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