Takuto

プロメアのTakutoのレビュー・感想・評価

プロメア(2019年製作の映画)
3.5
プロメアって何なんだ。

力のある映画だったけど、そのエネルギーの出し方が後半はイマイチに感じた。

大分ぶっ飛んだ設定なのに、イントロのあの短時間で、チームの関係性、物語の大枠を理解させた技術はめちゃくちゃ凄いと思った。日曜朝の戦隊もの、仮面ライダーものを見て育った人にはたまらないジャンル。
映像のクオリティもめちゃくちゃ高いし、速攻メタモルフォーゼとか、アクションの縦横無尽感など、アニメの特性を存分に活かしていて見ていてテンションぶち上がり。
音楽の選曲、かけるタイミングも、その場のムードに合っていてより没入感を高めてくれた。

ただ、後半から物語が複雑になっていく中で、抑揚で言う「揚」の割合が多すぎた。物語が終わりに向かっていくにつれて、世界観のエネルギーが高まりながらどんどん話が進んで行くのは、こういう作品の最大の持ち味だと思うけど、抑、揚だし、僕的には一回「抑」を入れて整理して欲しかった。後半はアクションシーンと音楽ばかりで、何だかワンパターンの構成になっていたように思うし、映像で魅せるシーンが多かった分、見ていて疲れてしまった。
同じハイパワーの放出でも、ゴムゴムの銃乱打(ガトリング)より、ゴムゴムの象銃(エレファントガン)の方が重みがあるし見応えがあのでは無いでしょうか、という話。

BGMよりも強い、楽曲をそのまま使うのは、はじめはテンション上がって良かったけど、さすがに乱発しすぎてた感はある。曲のインフレが起きてた。同じく「揚」が強い。
映像も、アニメのアクションシーンでありがちな、激しさは分かるけど、動きがどうなってるのか分かりづらい問題は回避してるように感じたけど、後半に行くにつれてそれが「この技術どやどや感」に変わって見づらかった。つまり、逆に後半では上記の問題に陥ってしまっていたように感じた。
画のディテールに拘ってらっしゃるのは見ていて感じたし、映像技術の発展だけじゃなくて、人の地道な作業が滲み出てたけど、映像が移り変わるのが早い分、情報量が多すぎるとどこに視点を持っていけばいいのか分からなくなった。
後で見返して「こんな細かい所も書き込んでたのか!」的な楽しみ方にも配慮されてるのかもしれないけど、あくまで本筋の所に優先的に視点を向けさせる見せ方をして欲しかった。

構成だったり、楽曲の使い方、後半は特に「超協力」的な要素も相まって、「サマーウォーズ」感の強い作品だったように感じた。
それを受けて、逆に「サマーウォーズ」の凄さが僕には理解された。

半沢直樹と、宮本の先輩神保が出てて草。
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