雄大な山々に沿ってゆったりと流れる川に、花で飾られた一艘の船。14歳のメイが三番目の妻として嫁ぐ。19世期のベトナムでは、男児を産むことが女性の最大の務めだった。
ランタンの灯り、静寂と虫の声、艶やかな長い黒髪...すべてが息をのむほど美しい。秘境の富豪に嫁いだ若い第三婦人の視点で描いた官能的な作品。
この作品は、14歳で見合い結婚をした監督の曽祖母の体験に基づいている。一夫多妻制.父権社会.低年齢結婚。男児出産への圧力や、夫と父親に仕える為の女性の一生、他の妻たちとの共存。。
美しく描かれているその奥の、自分の力ではどうすることも出来ない男尊女卑に耐え抜く女性の苦しみや哀しみが伝わってきた。
最後のシーンが良かったです。
