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第三夫人と髪飾りのriverのレビュー・感想・評価

第三夫人と髪飾り(2018年製作の映画)
3.7
昔話に入り込んだような幻想的な世界で、一人の少女が体験する不思議な、悲しい物語。

14歳の少女メイは絹で潤うある富豪の第三婦人として嫁ぐことになり...

会話がとても少なく、水の流れや光のゆらぎの方が饒舌に語ってくるようだった。(特に蚕が絶品で、葉を食べる音からはじまり、繭から糸を紡ぐまで象徴的に描かれる)19世紀のベトナムなので、東洋人として近しく感じることもあるけれど、一夫多妻の家父長制のため、遠くの世界のようにも感じる。

空気感はトラン・アン・ユンの「夏至」に似ている。夏至からは三姉妹の長女と三女、三女の恋人が出演していて、第一夫人役のトラン・ヌー・イエン・ケーは場を支配するような存在感で、映画の色調を整えていた。


僕は14歳のメイと共に旅をする。馴染みのない土地で、馴染みのない風習に戸惑いながら、詩的で残酷な物語に身を委ねた。
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