ジョジー

運び屋のジョジーのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
4.2
『グラン・トリノ』(2008)以来久々にクリント・イーストウッドが監督・製作・主演を務めた作品。自然と期待値はあがってしまいます! それを裏切らないのが88歳御大イーストウッドですよね。
仕事一筋だったアールは、何も知らずに雇われたのが、メキシコの麻薬組織。90歳になろうという彼は、思いがけず麻薬の運び屋となったことで、今までの人生を顧みることになります。危険な仕事、悪化した家族との関係、犯罪サスペンスながら、コミカルな会話があったりして、すんなりと物語に入っていけました。
あまり情報入れてなかったので、もっと犯罪色が濃いのかと思いきや、家族との絆が描かれた人間ドラマに重きが置かれてて、涙が溢れるシーンも。
序盤は、イーストウッド演じるアールが、ラジオから流れる曲に合わせて鼻歌を歌いながらドライブする、ほんわかのんびりロードムービー感があり、怖いはずの麻薬組織の人間も、彼のペースに巻き込まれていくという感じ。
ただ、やってることは大きな組織の下での犯罪。後半はその怖さも目の当たりにすることに…
組織の人間にも、彼らを追う麻薬取締局の捜査官にも、同じように人生の教訓となるような声を掛けるアール。90歳という年齢だからこそ、自らの苦い経験を踏まえて自然と出てくる言葉何だろうなぁ。ただ思ったことを口にしただけでも重みがあります。
実話をモチーフにした物語だそうですが、監督・主演のイーストウッド節が効いてて、安定の面白さ! 彼が演じるアールの愛と、何事も受け入れ敢然と立ち向かう姿が良い余韻を残してくれました。とても良かった。

クリント・イーストウッドには、まだまだ今作のような素晴らしい映画を撮り続けてほしいですね。おじいちゃんらしい姿にはなられたけれど、若い頃の颯爽とした姿もちらつきました。
ブラッドリー・クーパー、マイケル・ペーニャ、ダイアン・ウィーストも良かったし、イーストウッドの娘アリソンとの親子共演も見どころでした。個人的にはアールの監視役をする麻薬組織の男を演じてる俳優さんが良かったな。役名も覚えてないんだけど…。
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