今作で引退するのかと思わせる映画だった。
作中で自身が演じるアールに「インターネットはクソだ」「最近の奴らは携帯ばっかり見ている」と言わせるのは、スマホが普及して映画というコンテンツが以前ほどの魅力を失ったことに対する映画監督としての嘆きではないだろうか。
そして自分の娘を出演させ家族の大事さを強調するなど去り際を探しているようにも感じる。
また監督が意図したところではないが、老いた主人公アールが自分の居場所を探し犯罪に手を染めていく様子はこれから高齢化社会に突き進んでいく我々日本人にとっては何か刺さるものがある映画ではないだろうか。