ジャッキーケン

運び屋のジャッキーケンのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
4.1
これで本当に最後であろうイーストウッド監督主演作は家族を蔑ろにしてきたアールが90歳にしてメキシコ麻薬カルテルの運び屋を請け負う犯罪実話映画

仕事優先で家族を何度も裏切ってきたアールの孤独、家の差し押さえ90歳という人生の大台に乗った老人が麻薬カルテルと関係を結ぶぶっ飛んだ史実の時点で面白い

終始スリリングに展開すると思いきや、DEA側は割と淡々としている
運び屋描写もどこか緩さがある
油断した時に警官や警察犬が出てきたりとハラハラさせてくれる

ごく普通の毎日を生きてきたアールが運び屋稼業になってからは巨乳の姉ちゃん抱くのは超羨ましい、88歳のイーストウッドのベッドシーンはかなり衝撃的
超高額な報酬を自分のためではなく友人たちのために退役軍人会のために寄付をする辺り、根は悪い人ではない描写が好き
決して犯罪を美化してるわけでもないから

「アリースター誕生」の記憶が新しいブラッドリークーパーとイーストウッドの会話劇は「パーフェクトワールド」の逆バージョンで終盤の対峙が本当にカッコいい
どこか西部劇チックだしその辺はイーストウッドの脚色なのだろうか
本当にカッコイイ

家族と自分を見つめ直し、金よりも大事な物を得ていくところもすごくグッとくる
法廷での潔さがカッコいい

イーストウッド流のかっこよさが詰まった映画。アールを演じられるのはイーストウッドしかいない