以前からクリント・イーストウッドという俳優、監督は
日本人の感性に近い物を持っているのでは?
と思っていました。
「許されざる者」「父親達の星条旗」「硫黄島からの手紙」
「グラン・トリノ」・・・
今回の「運び屋」もそう。
寡黙で、表情で感情を表す。
(わたし的な表現では 「じっと目を見ろ!わかるだろ!」的な)
そんな感性に痺れます。
デイリリー(一日で枯れるユリ)が好き。日本人が桜に惹かれる感性か?
いろいろ今作の思いはありますが、冒頭シーンでデイリリーを愛でていた時の表情。
時の表情。
ラストシーンの刑務所の花壇でデイリリーを愛でていた時の表情。
同じようで、全く違う。
最初は間違った理屈で家族の為に、評価されようと育てたデイリリー
を愛おしく見つめる表情。
ラストは自分の生き方が間違っていたと気づき、家族と
やっと正面から向き合え、理解し合え、受け入れられたという気持ちで
刑務所のデイリリーを愛でる表情。
同じ様な表情でも、この物語を一緒に過ごした鑑賞者達には
違う表情だと思わせるクリント・イーストウッドは凄すぎる!
この表情が語っているのかなと感じてます。
大好きな映画の一つになりました。
ロバって原題も意味深・・・