おとうちゃん

運び屋のおとうちゃんのレビュー・感想・評価

運び屋(2018年製作の映画)
3.6
レジェンドから娘へのつぐない!

仕事一筋の農園家アール90才。家族を ないがしろにした穴をお金で埋めようと やばいブツの運び屋にトラバーユしちゃったから…さあ、大変!

長距離ドライブなら自信がある私め、退職後は こんな仕事も悪くないかな…なぁんて考えたらマジやばい。
コイツの運んだブツが海を越えて日本のピエール瀧つぼに流れ込んだと思うと、素直に感情移入できないが、そこは映画として楽しまなきゃ もったいない。

やばいブツを運んで怖い兄ちゃんに脅されてるのに、この爺さん度胸だけは座ってる。
寄り道するは、途中で人助けするは…とにかく好き勝手に走り回る。
ピンチになってもユニークな起点でスルリと すり抜ける。

実話に基づくロードムービー。
88才イーストウッドのハマり役!

お金で愛は買えるかもしれない。
だが、絶対に買えないものがある…それは時間。
いくらお金を稼いでも失われた時間は取り戻せない。

100才まで生きようとするのは99才の人間だけ。
昨日より今日の方が…そして明日はもっと…老いは確実に迫っている。
老いを迎え入れるな!
人生の黄昏に ようやく見つけた大切なもの。

この映画で娘役に実娘アリソンを抜擢したレジェンドの真意・・・
それは仕事一筋に生きてきた父親から、娘への償いと贈り物に思えてならない。