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ナディアの誓い - On Her Shouldersのsamiamのレビュー・感想・評価

4.0
実際の女性戦闘部隊を基に作られたフィクション、バハールの涙を観てから、ずっと観たかった作品。こちらはドキュメンタリー。
ようやくスケジュールが合い鑑賞できた。
やはり観てよかった。
どちらもISから襲撃を受けたイラクの少数民族ヤジディの女性。家族の内、男性や老人は殺害され、本人や姉妹、姪は性奴隷として捕らえられ凌辱され、人身売買され。。。どちらも脱出に成功し、同胞や家族のために戦うことを決意した。
バハールは銃を取って戦うことを選び、ナディアは言葉で戦うことを選んだ。どちらの勇気も称賛に値すると思う。

ISに襲撃された時はまだ十代の彼女。活動家と紹介されることを嫌い奴隷となった被害者の一人と名乗りたがる。しかし、今も捕らえられている、または行方不明になっている同胞の運命が自分の肩に掛かっていることを自認して、活動家として立つことを受け容れる。勇気を振り絞って聴衆に訴え掛ける姿は本当に凛々しくもあり、また、時に見せる表情は弱々しくもあり。。。
当初訴えても動いてくれなかった連合軍、世間を諦めず、訴え続けることを選び、限られた時間の中で発する言葉を厳選してスピーチに取り組む姿に感動する。
彼女が発する言葉の一つ一つを取り逃してはいけないのだと思う。

通訳のムラド・イシュマエルが素晴らしかった。また、弁護士のジヨージ・クルーニ夫人のアマル氏もきっと良いサポーターなのだと思う。
他者のために戦う、真に誠実な人に相応しい助け手が与えられたことは嬉しく思える。

映された集会の中で、サポーターが泣き崩れているところを逆に寄り添ってなだめているナディアさんの姿は涙無しには観れなかった。
「私の様な体験をする女性は、私が最後に」という意味の彼女の著書The Last girlを購入。映画では捉えきれなかった彼女の訴えを更に知りたいと思う。
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