メラン28号

アートのお値段のメラン28号のレビュー・感想・評価

アートのお値段(2018年製作の映画)
3.7
面白い映画というよりも勉強になった映画。
現代NYで起こっているアートとお金のドキュメンタリー。

アートのお値段は?と聞かれ、資産家、バイヤー、アーティストたちが色んな目線で答えてくれる。作品に惚れたなどの感情よりも、そのアートがいかにお金になるか、有名かが重要になってくる。アーティストたちは描かなければお金にならないから描くけど、描きすぎても希少価値が薄れる。しまいには死んでからお値段が跳ねあがるんだから、観ているこちらとしてはやるせない。
個人所有であるべきか美術館所有であるべきか、今は有名でもそのうち飽きられてしまうのではないか、などなど。アートに関する問題は常に変化してアーティストの首を絞めている。
かねてより、芸術は上流階級が楽しむものであり、彼らによって守られてきたといっても過言ではない。アートとお金の切っても切れない関係が、現代美術を通して上手い具合に収められた映画だった。

最後の皮肉に、思わず渇いた笑いが漏れた。
100万ドルの現代芸術作品。しかしダヴィンチの傑作は4憶ドル。
果たして、芸術のお値段とは……。
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