アートのお値段の作品情報・感想・評価

上映館(3館)

アートのお値段2018年製作の映画)

The Price of Everything

上映日:2019年08月17日

製作国:

上映時間:98分

あらすじ

「アートのお値段」に投稿された感想・評価

見上愛

見上愛の感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

軽ーくネタバレの可能性も無きにしもあらず
想像通りの内容と言えばそうなんだけど、個人的には観て良かったなと思った。

ドキュメンタリーでよくあるだらーっとした感じがなくって、緩急というかテンポがちゃんとあって飽きなかった。でも別に何かおっきな事件が起きたりする訳ではない、、、。

それぞれ個人の意見が出てくるだけで、映画全体としての押し付けの意見みたいなのがないから、しっかり自分で考えられる。
正解を見せないでくれる面白さがあるなと感じた。きっと正解がそもそもないんだろうけども。
IK

IKの感想・評価

4.2
現代アート界の構造(特にセカンダリーの)を知りたい人は必見。
ギャラリー等のプライマリーマーケットの話はほとんど出てきませんが、芸術と値段の関係性は何か、ということに疑問を持っている人に考える機会を与えてくれます。

"The cynic knows the price of everything and the value of nothing."
(冷笑する者はあらゆるものの値段を知っているが、何ものの価値も知らない)
オスカー・ワイルドの言葉です。原題のThe Price of Everythingはここから来ています。
作中にも出てきますが、価格(Price)と価値(Value)の差が理解不能な域まで達している現代アート界バブル。なぜここまで高価格なのか。それは価値に見合っているのか。
作品が不動産と同じく投機的に利用されているというところが状況をややこしくします。さらには社交界に顔を出すためのオークションデビューという利用の仕方も。とはいえ、世の中に生み出された財は様々な要因で値付けがされるわけですから、アート作品も例外ではないというだけの話かも知れません。資本主義社会で活動をする以上逃れられないというだけの話です。
みんな生活があるのだから。(セカンダリー市場のお金がアーティストに回っていないという議論は一旦置いておくとして)

「好きなものを買うべきです」というのが一つの答えな気がします。
その人にとっての価値です。何としても欲しいから、競り落とす。そういう姿勢なら悪くないのかも知れないと思いました。好きなものであれば、値下がりしてもあまり気にならないし、値上がりすれば非常に喜ばしい。作家も、自分の作品が愛されているのであれば嬉しいはずです。
そういう個人の信念や良心で成り立っていて、その人が信用できるから回っている市場なのであればセカンダリーも必ずしも悪ではないと思います。

アートが担っている、担うべきとされている「公共的な価値」が念頭にあるから、違和感を感じる。美術館に慣れ親しんだ人からすると尚更。
実際、作中に出てくる美術館サイドの人も、市場への嫌悪感を隠しません。
こちらの側面はまた別の機会に丁寧に語られる必要があるのではないでしょうか。
美術館も集客の側面を考えていたりもするし、民間は民間で展示の支援をしていることもある。またその展示歴が作品の価格をあげたりしてという入れ子構造。資本主義ですね。

ねぇ、最初のオークションのシーンにウディ・アレンいるよね?
2019年5月、存命作家としてオークション史上最高額となる約100億円を記録したジェフ・クーンズの《ラビット》(1986)。スチール製のバルーンアートに見えるこのうさぎが、なぜ莫大な金額で競り落とされるのか。アーティスト、コレクター、ギャラリスト、オークショニア、批評家らアートワールドのプレーヤーたちのインタビューから、巨万の富を生み出す現代アートのカラクリに迫る刺激的なドキュメンタリー。

登場人物がとにかく豪華で一言ひとことに目が離せない。《ラビット》の記録樹立以前ではあるが、金銭づくアーティストの代表格であるクーンズをはじめ、彼と対蹠的に、寡黙に「描く」ことを墨守するラリー・プーンズ。コレクション手法を惜しげもなく披露し、ユダヤ系でありながらマウリッツィオ・カテラン《彼》(2001)を収蔵する老獪なコレクター、ステファン・エドリス。サザビーズのオークショニアとして作品の獲得と売り込みに情熱を注ぐエイミー・カペラッツォ。アートワールドを手厳しく批判しながら、自らもその住人であることをシニカルに語る批評家ジェリー・サルツ。現代アートに敵意を抱き、オールドマスターへの郷愁を語る美術史家アレックス・ネメロフらの語りが現代アートの姿を形づくっていく。

だからと言って、これで正体見たりということには決してならない。むしろ現代アートを取り巻く異常な熱狂、雰囲気、つまり現代のアウラ、交換価値が纏うアウラが大金を呼び込むのかもしれない。現代アートの多面性をあぶり出す秀作。
2019ユーロスペース
芸術か投資か、価値か価格か。知識ゼロ庶民でも楽しめました
浮浪者

浮浪者の感想・評価

3.5
メガギャラリーやアセマネ界隈の人があらわれないので、オークショニアとコレクターとアーティストの素朴な三項図式にみえなくもないが、策略仕事人の文脈がないことで、もう素朴ではありえないことを自ら知覚する手助けにはなっている。
テンポが良く、飽きずに観れました。

ちょうど最近テレビで見たのが、忍者の格好した日本人が書く漢字が海外で高値で取り引きされているらしい。
「これがこんな値段!?」と少しびっくりしましたが、買い手がいるからこそ、お値段が決められる。それがその作品のその時点での価値かもしれません。

でも、商業的なアートってアートなのでしょうか?デザインでは?と思ってしまいます。難しい。
Yukimatsu

Yukimatsuの感想・評価

3.0
アートは富裕層だけじゃなくて、様々な人に平等に観賞して欲しいと言っていたアーティストが印象的だった。
まさにそれをやってのけたのは、バンクシーだと思った。
とーり

とーりの感想・評価

4.5
VALUE OF NOTHING クーンズとプーンズ=対比、僕はプーンズの方が好きだ(アートへの向き合い方、生き方も何もかも)。あとクロスビー、コンド、ミンター、リヒター etc...ナサニエル・カーン監督はこのコンテンポラリーアートにまつわるドキュメンタリー映画を作るにあたって(敢えて)アートに精通していない人の視点で(一見)無粋な質問をあれこれと当人張本人たちに投げ掛けていくことで、《"芸術"(とその価値)とは?》という永遠に白黒付かない野心的なテーマにモノの見事にリーチしていく。機微に富んだ繊細な視点でNYを中心とするこの超富裕層による壮大なる投資ゲームに今更な一石を今だからこそ投じるのだ。すこぶる面白かった。金持ちの家の価値を上げるが如くもう日の目に当たらず壁に飾られていくのか? 道義的な事を重んじて文化の入口としての美術館で貧富の差など関係なくこれからも多くの人に鑑賞されていくのか? 人の価値もモノの捉え方も千差万別ーーーそれが恐ろしいほどにスリリング刺激的で身悶えするほどに興味深い。いや、この興味は尽きることがない。しっかりと各方面様々な意見を汲み取り捌きながら、利害関係やそれぞれの意思・意図があって多様に絡み合う物事はいずれオークション当日に集約されていく。個人的にはオークショナー=エイミー・カペラッツォのキャラクターが印象的だった。

4億ドルなんて誰が持ってるんだ
TOMATOMETER92 AUDIENCE100
The Price of Everything will be of immediate interest to art lovers - but this look at the relationship between creativity and commodification has something for all audiences.
モグ

モグの感想・評価

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東洋経済オンライン独占試写会
雑誌pen 井出副編集長トークショー
risa

risaの感想・評価

4.0
アートは、ファッション界や建築界…いろいろな業界を大きく動かしたんだな…。マウリツィオ・カトランの作品が出てくるシーンは、撮り方がすごく良かった。
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