ね

ロリータのねのネタバレレビュー・内容・結末

ロリータ(1997年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ぞっとするような、背筋がつめたくなるようなストーリー構成であることはやはり否めないと思う、ただ、フランス人男性を主人公に、アメリカを舞台として生み出した一大マスターピース、それを構成してみせたウラジミール・ナボコフの繊細かつ大胆な言葉の世界を、映像作品に落とし込もうとしている、という試みだけは心に残るかもしれない、ナボコフ作品が好きすぎるあまり、ついつい細かな演出や台詞の違いにも目が行ってしまうのですが、それでもドミニク・スウェイン演じるロリータ(ドロレス) の口紅の塗り方で「少女」から「女」への移行を描いた演出はなるほどね、と思いました(あの赤い口紅をはじめ、さくらんぼや血の表現など、彩度の高い赤がアイコニックというか、そういえばポスターにもあざやかな赤が使われていたような)

ヘアピンの演出も個人的に好きです、ほかのシーンでロリータが身につけていたバレッタやリボンなどではなく、あえてなんてことのない”ヘアピン”、というところにふたりの関係性というか、ハンバードの執着が見えるような気がしました、

原作の文体のファンだからいつまでも熱く語ってしまうな…… 無視してください……
ね