このレビューはネタバレを含みます
天真爛漫な少女の一挙手一投足に、自分の願望を重ねて破滅してゆく紳士の物語。
人は都合の良いように解釈する、ということを人はいつも忘れている。
それを思い出すのはいつだって最期で、というより寧ろそれを思い出すまでが最中、と言った方が正確だろう。
描きたかったのは倒錯に見る純愛なのだろうけど、
自分のそんな普遍的な部分に重なった映画だった。
ともあれ、倒錯的な形であれど、その本質は紛れもなく愛だ。
そもそも倫理的観点からコンプレックスを排除する事は倫理的と言えるのか。
最期にハンバート教授が、少女を失くした彼女でも尚愛していると断言したシーンが印象的で、
1人の女性として少女を見ていた事実は寧ろ紳士的とも言えるなと、ロリータを愛しはしない僕は思った。
綺麗な描写で題材の灰汁も少なく見やすい作品だった。
次はキューブリックの方も見てみたい。