桑田翼さんの映画レビュー・感想・評価

桑田翼

桑田翼

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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

5.0

この作品はアニメーションでなくちゃいけない、躊躇いなくそう言い切れる。
実現性じゃなく、表現性の話だ。
繊細な目の表情も、自然や街が織りなす一瞬も、この世界では見逃す事ない輝きを放っている。
写真が存
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ロリータ(1997年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

天真爛漫な少女の一挙手一投足に、自分の願望を重ねて破滅してゆく紳士の物語。

人は都合の良いように解釈する、ということを人はいつも忘れている。
それを思い出すのはいつだって最期で、というより寧ろそれを
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくそ面白かった。

妄想/現実/主人公が劇中で演じるドラマ
これらが乱切りかつ巧妙に繋ぎ合わされ、いずれも等しいものとして扱われる為、最早一体これがなんであるのかの区別が付かない。
そんなメタ構
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イノセンス(2004年製作の映画)

4.0

芸術、文学、哲学、文化、過去、未来。
それらを全て混ぜ合わせたような異形の世界観を軸に、レーモンルーセルの構想とベルベールの表現した無機への耽美な疑似的愛情を哲学へと昇華し、
inocence=無垢
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

こんなに悲しく美しい愛を僕は見た事ない。
不潔でガサツな風貌の阿部サダヲの純粋無垢な愛情が心に染み渡る作品だった。
それを疎ましく思いながら刹那的に綺麗な見た目をした男共と枕を交わす蒼井優の、阿部サダ
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スティルライフオブメモリーズ(2018年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

映像は綺麗だった。
被写体とカメラマンの関係性や、写真を撮る動機といった、感情的な部分にあまりスポットが当たってなく、全体的に抽象的な作品。
脚本もイマイチ。演技も狙ってか淡々とし過ぎてて、映画という
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ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

自殺願望に取り憑かれてる主人公の筋骨隆々なタフさと、虐待へのトラウマに支配されてる内面の繊細さがアンバランス過ぎて、観ててなんとも言えない気持ちになった...
母親を水葬するシーンが一番印象的で、綺麗
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ポンヌフの恋人(1991年製作の映画)

3.7

愛の本質、愛とは何かみたいなを有りのまま綺麗に写したような作品。
「愛とは、相手を思いやること」なんて生温い美談と言わんばかりの幼児のように彼女を求める主人公に、終始同情に近い感情を抱いた。
日本的
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ジムノペディに乱れる(2016年製作の映画)

3.7

濡れ場で流れるエリックサティのジムノペディが、乱暴で無愛想なSEXと不似合いで、終始悲哀に満ちた雰囲気を漂わせる映画。
人間味が合って好き。

先生... 私の花、何色?

夜露に濡れた、夜明け前の
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ムーンライト(2016年製作の映画)

-

ララランドを退いてアカデミー賞を受賞した話題作を今更ながらやっと鑑賞。
繊細な映像美や独特なカメラワークに引き込まれ、ドラマチックな展開はないにも関わらず飽きる事なく最後まで見れた。
登場人物は皆黒人
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永い言い訳(2016年製作の映画)

3.9

良作。
本木雅弘の演技力には脱帽の一言。
キャストそれぞれの人間味が良く表現されて、観ていて感情移入してしまう。
本木雅弘もクセのある役で論理的でドライな人柄な分、色んな形の人の暖かさが際立って綺麗に
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オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

佐藤泰志原作
そこのみにて光り輝くと海炭市叙景の三部作の一部ということで鑑賞。

「壊す男」白岩と「壊れた女」聡の不器用な愛のお話。
無関心故に、知らぬ内に他人を傷付ける「壊す男」演じるオダギリジョー
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