シネマ誕生100年記念作品なんてなんかハードルが高い様な気がしてしばらく寝かして置いたのだが、蓋を開けてみればヴァルダらしい遊び心が満載のまさに玉手箱の様な作品で最高に幸せな気分になった。古今東西…とはなかなか言い難いが、100年の間に地上に生まれたあんな映画やこんな映画のオマージュやごっそり引用(ちゃんと元ネタは全部開示される)がふんだんに散りばめられており、当然のことの様にそれを彩る名優達の共演(もはや狂演と言った方がいい)が豪華過ぎて鼻血が出る。映画の歴史を司るその名もシネマ氏の話し相手となったシネフィル女学生や、次々に彼の元を訪れる名優達との会話の中でその豊かな歴史が次々に紐解かれて行く。ただのオマージュだけで終わってしまったらなんの個性も無いが、その莫大な遺産をなんとかちょろまかしてやろう…なんて言うストーリー付き、しかもそれを締め括るのがカラックスってのが最高じゃないか!!!『ホーリー・モーターズ』はこれへの返答なんじゃないか?知らんけど。にしてもあんな美味しいバイトあったらやりたい!ってシネフィルはめちゃくちゃいそうだ、101日間映画の話をするなんて俺には絶対無理だが…。