ヒムロ

クワイエット・プレイス 破られた沈黙のヒムロのレビュー・感想・評価

4.1
隕石と共に地球に現れた謎の怪物。
音に敏感に反応してくる怪物によって崩壊した世界。
父、リーの命と引き換えの攻防によって出産を終えたアボット家は救いを求めて移動することに。
廃工場で一人生き残っていた男、エメットと出会った一家だが彼の仕掛けていたトラバサミによってマーカスは負傷してしまう。
そんな時、ラジオ放送から生存者のメッセージを読み解いたリーガンは家族を救うため、単身工場を出てしまう…。

前作では匂わせる程度だった怪物の正体や、後半ぐらいしかガッツリ出てこなかった怪物の全景がたっぷり描かれてモンスター好きとしては大満足。
頭部の殻の中の渦巻き状の器官なんて最高にゾクゾクした。

単純なサバイバルとしては前作で描いてしまった上に弱点まで明確にしてしまったのでどうするのかと思っていたが、人間同士のバトルメインにならずきちんと怪物との戦いから逃げずに描いていたのが好印象。
敵対集団も出てくるがスパイス程度に止まっているので次作もこの程度でお願いしたい。

前作は一家の話を中心に父であるリーを描いていたが、本作は子供二人、マーカスとリーガンを中心に描いている。
ただしわざとらしく成長物語をやりますよと堂々と降って描いているというよりかは、必然的にそうなるように丁寧に脚本を書いていてこの辺も素晴らしい。
特にラストシーンは必見。
場面を2つに分けながらどちらでもピンチを演出するので飽きずにのめり込めた。

新キャラであり旧知の仲らしきエメットは今作では一家以外の主要人物として輝いていたが、友情関係や悲しいバックボーンが見えて次回作への期待膨らむ要素にもなっているのが素晴らしい。

無音演出や過去編も最高で大満足の一本だった。

ところで前作は劇場公開時に(僕の周りの映画館がというだけかもしれないが)字幕しかなかったのだが、吹き替えがあったので今作はこっちで見てみたものの、やっぱり吹き替えるほど会話はなかった。
ヒムロ

ヒムロ