世界が鳴っている。世界は音楽で満ちている。あなたが世界を鳴らすのよ。
みたいなセリフに象徴されるように、全編通じて音楽に重心を置いた作品。
特にコンクールの演奏シーンは音楽的感性皆無の自分でも鳥肌もので、なるほど、たしかに音楽は世界に開かれた窓なのかもしれないと思ったりした。
消えた元天才音楽少女とか王道エリートとか新たな天才とか市井の努力家とか、定番のキャラクターたちがなんとも嬉しい。ストーリーも深掘りはないが、メインディッシュの音楽を引き立てるための副菜として逆に丁度良い塩梅だと思う。
映像も演出も主張しすぎず端正で、全体的にやりたかったこと、観せたかったものが明確な、素敵な作品でした。