どなたのピアノをふきかえたのかはわからないのだけど
老父母の知り合いのお孫さんが、担当されたとかで
初日に「連れてって」とリクエストがはいり、なにも調べずなにも知らずに鑑賞しました。
先日の「パリに見いだされたピアニスト」とは真逆の、
天才であり、場と環境を与えられたひとたち。そこにはそれぞれの、物語があるのだけど多くは語られない。
一方、天才ではない、生活者であるピアニストが自由演奏ですくいあげる景色が素敵で、彼の音楽はここじゃない第二楽章へとうつろっていくことが示されたのはとても良かった。
で、コンクールにしのぎを削るスポ根ものではないツクリが大層良かったです。喪失と再生を松岡さんの演技力がみごとに表現していたように思いました。あっけらかんと周囲の愛情をふんだんに浴びるウィンくんも、ピアノの神様からお仕事与えられて降りてきた天使みたいな新人くんも、それぞれがお仕事きっちり。
ただ、ピアノ弾きの場面のからだの動き方が、ピアニストのそれじゃないなぁというのはちょっとひっかかったかも。
役者の表情で表現しようという監督の意図を
第二カメラマンに芹澤さんの名前をみつけて、納得しました。きっとあれは彼女が撮ったんじゃないかなと想像できました。
あと、ブルゾンさんが上手いなぁ。彼女やっぱり賢いなぁと感心しきり。
吹き替えピアニストたちの演奏のすばらしさ。映画というより音楽会に来たみたいな余韻が心地よかった。
ま、映画としてどうこうより、音と表情がすべてを一掃して、別の世界に連れて行ってもらった、そんな感じ。
いつにもまして、とっちらかってるけど、これも余韻のせいということで。
（コンクール用の楽曲の難易度の高さと知名度の低さ、これクラシックだめなひとにはきっつい映画なんじゃないでしょうかね、、、余談です）
2019/10/4
