コクムービー

蜜蜂と遠雷のコクムービーのレビュー・感想・評価

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
4.1
1つ1つの音をとても大切に、とても丁寧に描いていると感じる映画。スクリーンから音の粒がこぼれ落ちてくるよう。

音楽が音楽として以上の意味を持つ世界に生きる人達。
その演奏者達の表情が表す、複雑に広がった数多の感情。
演奏された音楽から伝わってくる、無限に広がる言葉にならない感覚。

この作品の殆どがそれら2つの要素で埋め尽くされており、それらを感じるだけでとても贅沢に時間が過ぎる。それらが変化することで鳥肌が立ち、感動して涙が流れる。

「自由に、宇宙を感じて」と指示されたカデンツァ。「春と修羅」。
目に目えないものにどっぷりと浸れる。