亜夜がマモルの演奏を見て涙ぐむところから、最後まで動悸が止まらなかった。
自分にこんなに刺さったのは、小さい頃趣味でクラシックやってたときに少しだけ垣間見たプロ(を目指す人達)の世界と、そこで痛烈に感じたコンプレックスの記憶を引きずり出されたからなのかもしれない。
ホールで演奏する時の、舞台裏の刺さるような静けさ、冷えた空気、袖で感じる客席の気配、舞台に上がって前を向いた瞬間の目が潰れそうな照明の眩しさ、恐ろしく冷たくて自分の物じゃないような指先を手袋やカイロで温める時のどうしようもない気持ち、弾ききって力の抜けた身体でするお辞儀、
あそこで亜夜が目に潤ませた瞬間にそういうのが一気にフラッシュバックして震えた。
まぁこういうふうに勝手に行間を埋めなかったら、全体的に説明のない映画なので不親切というか、、ただ綺麗なだけなのかも
主題もよかった、世界が鳴ってるのか、自分が世界を鳴らすのか。
音楽って面白い営みだと思った。
一見、ただ演奏家が内面をさらけ出すような個人的な営みで、だから素人の演奏は(基本的には)その人の知り合いにとってしか聞く価値のないものだけど、優れた演奏は個人的な物語を超えて聞く人の心(演奏家の外側の世界)に働きかけることができる。それはもう個人的な営みではない。
音楽が芸術として価値を持つ理由、というか、
そんなことを考えた。
松岡茉優と松坂桃李はこういう抑えたキャラの時が好き。キレる役より。
(余談)
でも亜夜とかーちゃんの即興演奏みたいな感じでナチュラルに雨だれ入れてきたのはずるくないか笑
知らない人が聞いたらオリジナルだと思うのでは、、それ雨だれや、ショパン様の作品や、と思いました()