このレビューはネタバレを含みます
・ファッションに詳しくない人はピンと来ないかもしれないが美術史で言えばデュシャン級の偉人
・表現を追求したデザイナーと資本主義下における表現の追及を極限まで実現したマーケターが同居した稀有なブランド
↓アートと市場、本来矛盾する二つを実現するとどうなるか
・世界トップレベルの独立メゾンなのにヘッドデザイナーとデザイナーが最低賃金
・ヘッドデザイナーとプロデューサの和解は最期まで成立せず
・側近の人々ですら、「マルジェラはデザインを最後まで楽しんでた/苦しんでた」意見が真っ二つ
・ブランド売却後全く別物の軽薄なブランドとなった後も残った初期メンバーの重みある発言「これが人生だから」「まさに沈黙というほかない」
・業界でも宗派(セクト)と呼ばれるほどの異様な雰囲気
・アーティストが欺瞞なく資本主義化で生きるための仕掛け
一人称"We"そして"メゾン"
・ファッション業界から引退したマルジェラが元同僚に問うた言葉があまりにも重い
「君はこの業界で一生を終えたいのかい?」
