ぽてと

ラ・ヨローナ~泣く女~のぽてとのレビュー・感想・評価

ラ・ヨローナ~泣く女~(2019年製作の映画)
1.2
ほぼ逆恨みで悪霊の怨念の矛先を自分等に向けられてしまった主人公。おかげで子供達が狙われてしまうように。

パッケージの鬱屈とした不気味さが良いなーと思って観てみたのですが、イメージしてたよりもイライラ系のホラーでした。
幽霊を見たことを子供達が母(主人公)になぜか隠すし、主人公は肝心なところで子供を傍に置いてないし。
見てて「怖い!」とはならず。
登場人物すらも本気で怖がってるか分からない。
心から怯えたら怖くて直視できないし、身動きもとれなくなると思うのは私だけなのか。私なら家の中で一度でもこんな幽霊が見えたら普通に生活送れない。
ましてや悪霊と戦ったりできない。逃げるのすら腰が抜けて無理。
洋ホラーで幽霊ものがイマイチ怖くないのってそのせいだなと思いました。
本作は特に、「目の前にさえいなけりゃ怖くなさそう」なんです。

霊のビジュアルがいかにもすぎて、特徴的な涙の跡も「描きました」って感じ満載。そしてアメコミのヴィランの如く霊の目を光らせる。無駄に派手にしたなあという印象。
上記の通り、姿がはっきり見えてしまうのもマイナス。
「泣く女」という字面からイメージしていた、情念の重々しいものは感じない。
立ち姿も意外とがっちりして見える…。まあ夫の浮気への仕返しに自分の子供を殺すような気の強い女性だったしな。
幽霊のはずなんだけど肉や実体がしっかりありそう。物理攻撃が強そう。
生前の後悔にずっと涙が止まらない悲痛さなど、あの「脅かし顔」からは感じられない。
そもそも案外泣いてない。現れる度に元気にギャーと言うのです。

父親が元警察官ですでに亡くなっていることや、子供が幽霊に負わされた怪我により主人公が虐待を疑われたりしたが、特にストーリーの山場に関わってこなかった。
ちょっと顔を出した職場のドナという女性については、何の罪もないのに単に主人公に嫌われてたということ?
主人公が精神的に追い込まれる様子を描きたかったの?

最後、思い出したかのように水溜まりがクローズアップされますが、そういえばあんまり水が怖くなることもありませんでした。水との因縁が伝わらない。
幽霊が題材なだけでホラーの作りではない…。不気味なものが息巻いているというのは一切感じなかった。
死霊館シリーズということですが、手慣れてしまったのかなという感想です。
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