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象は静かに座っているのまるまるまるのレビュー・感想・評価

象は静かに座っている(2018年製作の映画)
3.6
動物園の一頭の象が一夜にして忽然と姿を消すという村上春樹の短編を思い出す。ほぼ全編ステディーカムによるワンシーンワンカット。ステディーカムの操作技術自体はあまり高くないが、ワンシーンワンシーンのカメラワークはきっちりと計算されていて、それぞれの人物の心情を細かく感じとり寄り添って撮っているので、顔のアップじゃなくて背後からでも、ピントが来ていなくても、シルエットでも間延びせず、人物の感情がちゃんと伝わってくる。狭めの画角が多くなる分、多少の窮屈感はあるかな。ただ後半は間延びしている箇所も多々あり正直長ぇ〜な〜と感じた。信頼できる大人がいない世界になってしまうかもしれないという恐怖映画。この監督の新作が二度観ることが出来ないのはとても残念。
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