S510

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のS510のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ジュラシック・パークとジュラシック・ワールドの集大成で、各役どころにそれぞれ活躍の場があり、民間人スペシャリストによるアベンジャーズ感があった。
しかしそのせいで誰も死なせられない縛りが生まれてしまい、物語の重要さよりも、緊張感を保ちつつ主要人物たちをいかに安全に危険な状況へ置くか、という苦心の方が前面に出ているように感じて残念だった。もういっそロストワールドのサラでも出して恐竜に食わせたら良かったのでは。

セルフオマージュが散りばめられていて充分満足感も得られたが、いつも似たような悪役による同じような結末を迎えるので、これ以上シリーズを続けられない限界さの方が強く感じた。原作小説は未読なので本来の結末は分からないのだが、今回で幕が閉じることを願っている。
人類は野生の熊や猿や鳥だけでも上手く共存できていないのに、草食恐竜はともかく肉食恐竜とは絶対に共存できるはずもないのだが、ラストの恐竜たちが動物たちと共に在る光景はとても素敵だった。IMAXはともかく3Dである必要は全くなかった。


今作はイマイチ刺さらなかったのだが、個人的にワールドの持ち味はオーウェンとブルーの友情だと思っているので、今回せっかくブルーの子どもが出てきたのに全く出番がなかったことで面白味が欠けたように感じた。他にも今回初めて出てきた役が出張っていたことも、冷めてしまう一因だったと思う。
予告で見た時はケイラが大人の黒人女性だったので、ロストワールドで突然出てきたマルコム博士の娘さんの成長した姿かと思って期待していたのだが、そんなことは全くなかった。

命懸けで手助けしてくれる動機も浅く、飛行機を操縦できる便利なキャラという舞台装置以外の何ものでもなく、インタビュアーのアジア系の女性やラムジーと共にあからさまなポリコレを感じてしまって残念だった。
確かにパークもワールドも主役は全員白人の役者さんなので、時代にそぐわないという判断だったのかもしれないが、以前から出演しているウー博士の登場は自然だし、バリーの再登場は素直に嬉しかったし気分も盛り上がったので、人種は関係ないし、人種の問題でもないのにな、と微妙な心地になった。もう少し上手くやってくれたら、評価も違っていただろうなと思う。
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