池

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者の池のネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

賛否分かれると聞いていたが、残念ながら否の方だった、、
なぜなら今作は、ジュラシックシリーズとして観たい映像ではなかったからだ、、

ジュラシックシリーズの好きなところは、恐竜が自分達の自然の中で暮らしているところで、それを見た我々が実際に恐竜という生き物を感じられる映像が観られるところ。

今作でいえば、冒頭と終わりの映像がまさに僕がジュラシックシリーズで好きなところが現れている映像だった。恐竜の住処が人間の暮らす街となった今作。恐竜は本能のままに人間界で生活する。漁で取れた魚を食うモササウルス、山道を横断するステゴサウルス、タワーのてっぺんに巣を作るプテラノドン。
「人間界」=「今作の恐竜にとっての自然」で、恐竜が本能のまま暮らす映像が見たかった。

しかし今作はジュラシックシリーズとして、見たかった映像ではなかった。
・人間同士の格闘アクション
→恐竜の映像が観たかったので、人間同士のアクションは他でやってほしかった。
・人間の管理下にある恐竜
→恐竜が自然の中で暮らす映像が見たかったので、道具として恐竜が使われているところや、秘密裏の取引道具にされている映像はかなり冷めてしまった。
・イナゴ
→恐竜が見たいんじゃ。恐竜を出さんかい。
・出てくる恐竜が薄い
タワーに巣を作るプテラノドンとクレアに迫るテリジノサウルスの違いは描き込みの差だと思う。テリジノサウルスは、爪が長いなんか強いやつということくらいしかわからず、愛着が湧かなかった。今までは、博士が解説してくれるし、映像で生態系が見事に表現されていたのに、今回は謎だった。
「なんか出てきた!爪長!でか!鹿の死体吹っ飛ばした!じゃあベジタリアンってこと?なんで草食なのにクレア追ってるの?じゃあ肉食?でも草食顔してるけどな、いやてか爪どうやって使うのよ、クレア目の前いるけど大丈夫なんか?バレとるよね?クレア水の中まで逃げ切れるんかい、テリジノ深追いしんのかい、で、結局こいつの特徴っ爪長い以外なんだっけ」って、出てくる恐竜に対して思いながら映画を見ていた。映画自体の展開が割とこんな感じかも。
といった感じで見たかった映像が少なかった。

他にも脚本で気になる点はいくつかあったが割愛する、、
途中からあまりにも展開や映像が観たいものと違ったために、決めどころの映像すらもあざとくわざとらしく見えてしまった。(ティラノが都合よくあった輪っかのオブジェクトを通るところとか)

ただ、面白かった映像もあった。
・冒頭のシーン
→恐竜が人間界という自然で生活しているという違和感がたまらないんだ。
・終わりのシーン
→動物と一緒に走っている恐竜がたまらないんだ。
・シノケラトプス群れを突っ切るシーン
→本当に恐竜の群れを突っ切るとこんだけパニックになるんだなというのが伝わってくるし、何よりリアルなのがたまらないんだ。
・パラサウロロフスをカウボーイするシーン
→本当に恐竜の群れを追うとこんだけパニックになるんだなというのが伝わってくるし、何よりリアルなのがたまらないんだ。
・テリジノサウルス
→ん?さっき批判してたよね?
・巨大イナゴのシーン
→ん?さっき批判してたよね?
・新登場の恐竜
→ん?さっき批判してたよね?

そうなんです、テリジノサウルスも、巨大イナゴも、新登場の恐竜のシーンも、部分的な映像としてみれば楽しいんです。実はなんなら巨大イナゴに1番興奮している自分がいる。虫が大好きなので、気持ち悪くてでかい造形の非現実感が本当にたまらなかった。昔の生き物の何が良いかって、今でこそ非現実的な生態を持つ生物なのに、それが実際に生息していたという事実なんだよね。
今作に出てきたイナゴってまさにそれで、今では考えられない大きさのイナゴがかなり大群となって暴れ回っている映像がかなりリアルで、恐竜が生きていた時代はこういう風に虫も大きかったんだなぁというのが学べて、かなりテンション上がった。
テリジノサウルスを含め新種が出てきたのも、恐竜好きの視点から映像を見るとかなり楽しかった。

ただ、ジュラシックシリーズで観たい映像ではなかったんだ、、
イナゴはinsect worldがあるならそっちでやってくれれば、4.5点級の映像だった。テリジノサウルスやピロラプトルも、もっといい描き方ができていたと思うんだ、、、

とにかく勿体無い完結編だったな
池