まーしー

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のまーしーのレビュー・感想・評価

3.5
新シリーズ第3作にして最終作。
前シリーズ『ジュラシック・パーク』の主演だったローラ・ダーンやサム・ニールたちも出演。シリーズを締めくくるのに相応しい豪華な顔ぶれ。
ローラ・ダーンたち「パーク」チームと、クリス・プラットたち「ワールド」チームの行動が並行して描かれている。

ただ、個人的には少し期待外れ。
本作で、主人公たちの対立軸として描かれていたのは、恐竜ではなく自己中心的な人間。
そのため、前作から引き継がれた「人類と恐竜の共存」というテーマを十分に描き切れていないと感じた。そして、その問いへの明確な答えがなかったように思った。

また、過去のシリーズ作品の主役たちが一堂に会する同窓会的作品のため、恐竜たちに襲われる場面でもスリルに欠けた。どこかで「逃げられる」と冷めた目で見ている自分がいたからだろう。

色々な種類の恐竜が登場するし、登場人物たちも何度も危機に瀕する。バイクで猛スピードで走ったり、水に潜って姿を消したりと、恐竜からの逃げ方も様々。
また、巨大恐竜どうしの戦いも迫力十分。
登場人物たちの恋模様など過去作品との繋がりや、科学技術の功罪という社会的メッセージも盛り込まれており、手堅くまとめられていることは確か。
続編としては及第点といったところだろう。

ただ、この辺りがシリーズの引き際のように思う。この作品で一区切りと思うと一抹の淋しさはあるが、これ以上続けると、同じ内容の繰り返しできっと胸焼けを起こすだろう。

色々と述べたが、本作は決して駄作ではないと思う。
大画面で迫力を味わっていただくためにも、また恐竜たちへ別れの挨拶をするためにも、ぜひ劇場でご覧いただきたい。