いであん

ウエスト・サイド・ストーリーのいであんのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

不良の赤組さん・青組さんの因果応報バトル
誰一人共感できず後半はずっと真顔で「そうはならんやろ…」の連続でした。そもそもこんな悲劇で有名だったのか。
名作舞台の映画化であって、ストーリーに文句言うのはナンセンスと承知の上で、色褪せない名作とは言っても理解できず置いていかれる部分は多かった
シャークvsジェッツ、少年たちの戦う理由が薄くて学びがない。全体的に救いがない。教訓のない映画が苦手ということもあって、因果応報ですねで終わってしまった感じ

おばあちゃまの教えが「人生やり直せる」ならば
そこを軸に罪は償う。信念は通す。そんな話が見たかった。

教科書通りの男といういいセリフがもっと活きてきてほしかった、反撃はしない。殺しは絶対やらない。
もしくは誤ってしまったなら、マリアに一言残してなによりも先に自首すべきだった。少年たち全体的に隠蔽体質じゃない?

マリアの「あなたを失ったらあなたを許せない」このセリフだけいいなと思った。
兄も亡くした、恋人にも心を殺された、一人になりたくない、どうしたらいいかわからない末に出てきたリアルなセリフだなと思う。そういう素直さもあるのか〜と思った。

ただそこでセックスは怖いって。
恋人を亡くしたばかりのアニータに対する微笑みながらの自己表現(私には彼しかいないのソング熱唱)は怖い。
マリアの気持ちを理解して抱きしめたアニータ、人間できすぎてると思いきや二人を突き放す裏工作。
あげくジェッツたちは人種差別にレイプ。戦いで得たものなんか何もなくて、誰にも芯がない。仲間が死んで恨みあって、老人も大切にできず、後半はしょうもないプライドだけの少年団で残念

一方で前半の映像美はワクワクした、!!
輩たちの美しいバレエダンスと美声にギャップがあってその点は面白い演出と思った。汚くなりきれない感じ。
ダンスパーティでのバトルもそれぞれのルーツを感じる挑発がかっこいい。
アニータは歌もめちゃくちゃにうまいし、ダンスの「私を見ろ」力がすごい、どんなヒキでもすぐ見つかる。
すごい女優さん。
「船を手配してあげる」など媚びずに主張する、あのシーンのアニータは素敵だった。

有名なベランダでの逢瀬のシーン、結構簡単に抱き合えちゃうのね。ずっと柵越し会話かと思ったらそんなこともなかった

とにかく登場人物の表情、行動さまざまな点で共感しかねた。
スピルバーグ念願のウエストサイドストーリー映画化ということで観ない理由はなかったけど、もう一度見る理由もないかな。
いであん

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