スピルバーグはやはり凄い人だ。言わずと知れたミュージカル映画の金字塔が60年の時を経て巨匠の手により現代に蘇る。映画というものを知り尽くした巨匠は愛を以てこの作品に挑んだであろう。そのリメイクの完成度の高さに脱帽。映画制作において、衝撃の映像手法も時には必要であるかもしれないが、愚直なまでに王道を貫き丁寧に作ることでここまでの完成度になるのだと改めて思い知らされた。
キャスティングも素晴らしく、特にマリアは表情豊かで透き通るようなその歌声に魅力された。そしてダンスシーンは圧巻のひと言。楽曲は旧作そのままに、ここまで外連味溢れるものに仕上がったのは演出、撮影、役者、編集他スタッフの並々ならぬ苦労とセンスがあったからに他ならない。
幼少の頃に初めてVHSで旧作を観た時の衝撃と比較するつもりはない。だが確実に数十年後の今もまた、大きく心揺さぶられたことは紛れもない事実である。
【IMAXレーザーGTにて鑑賞】
