Reo

ウエスト・サイド・ストーリーのReoのレビュー・感想・評価

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 冒頭の長回しの迫力。ほぼ更地みたいな舞台は一瞬物語の後を映してるのかと思ったけど全然そんなことなく、IMAX最前列の効果もありスクリーンを覆う鉄球にぶつかるんじゃないかと錯覚する原始的な映像体験ができてすごくよかった。ジェッツとシャークのケンカは旧作のダンスから結構ガッツリとした暴力に変わってて生々しい。
 ミュージカルで一番良かったのはマンボなんですけども、遠目から全体を映す旧作よりグッと近づきながらしっかり画が出来上がってる今作の方がやっぱり迫力がある。あとダンスパーティーがなんでセッティングされてたのかっていう素朴な疑問に社会風刺的な側面から意味づけがあったのも現代的な感じでしたね。
 基本的にリアル路線っていうのが今作の姿勢なのかなって感じがしたんですが、トニーとマリアが恋に落ちるシーンは正直旧作の嘘っぽさの方が好きで、初対面で数秒見つめあったらガチ恋に落ちるっていう展開がそもそも嘘だし、物語なのでそれは構わないんだけど、だったら演出も嘘くさい方がすんなり腹に落ちるというか。今回のなんか本当っぽい演出だと逆に有り得ないだろ問題が燻ってくる感じがしました。
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