unknown

ウエスト・サイド・ストーリーのunknownのレビュー・感想・評価

3.7
2022/02/26

*ダンスシーンは全て良かった。特に警察署でのシーン、体育館でのジェッツとシャークスのマンボ!ダンスバトルシーンは最高。
決闘前の4曲くらいが重なっていくシーンも上がる

*決闘シーンって好き、男の子だから、戦う前の並ぶところがいい

*今作のテーマ、純粋な愛すら偏見や差別・民族分断とか移民問題などの社会問題によって叶わなくなるやるせなさとか無情さは全く古びてなく、今日でも言えてしまうのが悲しいのだけれど。
元が60年代の作品(原作はもっと前か)なこともあって、現代版として、なによりスピルバーグ版としてアップデートされていた。

*失礼な事承知で基本的には非常にレベルの高い、高すぎる映画なのは間違いないし、大傑作と言われてもそうでしょうなと納得するところもある。
かく言う私も作品の3/4はとっても好きだ。
ただ後半のある2点がどうしても好きになれない、どころか理解できない、もしくはきつかった。

*決闘の後、トニーがマリアの家に行ってからの一連の流れが全然理解できない。
トニーは恋人の兄を刺した後の行動とは思えないし、マリアとトニーの行為自体も信じられないし、トニーがアニタに歌うシーンに至っては、「何を言っているのだろう。人の気持ちはどこへ?」だった。

*もう一つ、決闘後ジェッツのメンバーがドラッグストアでアニタにする行動はキツかった。
差別意識ゆえの行動としてはリアルなのかもしれないけれど、映画として本当に必要だったのかが疑問だった。
女性への暴力は昨今取り上げられることが多くなっているとは思うけれど、地域分断というテーマを薄めやしないか。
様々な方面に問題が行くので、何を主題にしているのか分かりにくくなってしまった。
というのが言い訳程度のダメな理由。
純粋に多人数の男性が女性に暴力を振るうことに嫌悪感が強すぎた。
個人的に最も目を背けなくなる行為だったため、それが描かれる映画だという準備をしていなかった。
その手の映画を見るならそれなりの心の準備をしていたし、今作の前半を本当に楽しんでいた後にこの展開はバランスが悪すぎると感じた。
何よりも好きな歌やダンスをしていたジェッツのメンバーがそれをやったんじゃ、正直もう一度見ようという気になれない。

*明らかにレベルの高い作品だけれど、キツすぎた。
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