スギノイチ

殺したのは誰だのスギノイチのレビュー・感想・評価

殺したのは誰だ(1957年製作の映画)
3.5
落ちぶれた中年セールスマンが犯罪に手を染めていく。
初期の今村昌平っぽい下層ノワールだが、中平康も意外とこういうのが多い。
戦後復興に落ちぶれたセールスマンたちの描写は新藤兼人の『狼』を思い出したが、なんのことはない。これも新藤兼人脚本か。
息子・小林旭が保険金詐欺の誘惑に乗る件は闇バイトに走るZ世代そのもの。

殿山泰司が事故り、道路にオイルだか血だかが飛び散っている。その車にまとわりつく菅井一郎たち。この画が実に良い。
終盤にもこれが反復される。小品でも「映画を見ている」気分になる。
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