これはもう日本人のルーツに直接響く。感情や理性を超え心臓を鷲掴み。
親父との思い出、幼い頃の元風景、淡い恋、親戚や近所の人々との団欒というノスタルジーは今では、あまり感じることができない時の緩やか流れだからなんでしょう。
私達が便利さを手にいれることで失ってしまった大切な何かを思い起こさせてくれました。
「ウェイアウト」とのトレーナー、籘の裁縫箱、魔法瓶、記憶の呼び起こしの引き金になり、その時々の思い出が入れ替わり立ち替わりフラッシュバックします。
そして、その奥にはこの映画シリーズが好きだった父親の優しい笑顔があります。
厳格で無口な人の日頃見たことがない笑顔がそこにあります。
寅さん映画とはそんな日本人の映画なんでしょう。
それにつけても、後藤久美子はいくつになっても美しい。
