あえて色彩をモノクロレベルに落とし込み、踊るがごとき優雅さと身を削るほどの激しさが一体となる、さらに磨きがかけられた武侠アクション。そして、三国志の世界から新たに生みだした人間ドラマが融合された、チャン・イーモウ渾身の一作。劇場鑑賞時には、作り込みの凄さに圧倒され、一時も目が離せなかった。当然、リピート鑑賞した。
アクションの見せ方では「キングダム」だって負けてないと思いたいが、時間をおき、体型・風貌を変えての一人二役を、こうまで自然に見せられてはぐうの音も出ない。そして「ＨＥＲＯ」や「ＬＯＶＥＲＳ」に劣らない幕切れの見事さ。ちょっと“いのうえ歌舞伎”ぽさを感じてしまった。
この上があるのなら、ぜひ見せて欲しい。待ってます。
