こういう作品を見る度に、自分は冷たい人間なのかなと思う。
結局、最初のメンバーから頑固に他人を受け入れなかったおじさんが正しかった。
足手まといになる人間、怪しい人間は入れるものではないのだ。
後はガチガチに拘束するとか。
くだらない正義感は身を滅ぼすのだ。
人間なんて基本がクソなのだから。
まあそんな持論は置いておいて、映画の話をしよう。
内容はパンデミック系。
と言ってもゾンビとかそういうものではなく、映画「ハプニング」的なクリーチャーだか、ウィルスだか見えない何かに人が殺されていくといったパニックムービー。
芸術家であるサンドラブロックは子供を身ごもったものの、お腹が大きくなってきてもまだ子供を必要に思う気持ちが湧いてこない。
そんな中、世界に異常な現象が起こり始める。
全体的に基本はホラーテイストで進行するが、驚かせるというよりは緊張感を高めていく展開で魅せる。
「見たら死ぬ」という極限状態の中、五感の中で多用している視覚を奪われたまま、様々な問題に対処しなければならない。
これがやはり至難の技。
苦しみながらも子供を産み、愛と共に、生きる為に精一杯行動する。
そんなサンドラブロックの成長する様を見てほしい。
この映画はホラー作品というより、「母になる」ことをメインで描いた作品と思う。
母親になる自覚も自信も希薄だった主人公が、「見えない敵や恐怖」(「子供という未知の恐怖」)と戦い乗り越えていく。
そして最後には
信じること、母親としての自覚、自分の子供であるという認識、失ってしまうかもしれない恐怖と向き合い、成長する。
子供の名前がキーになっていると感じた。
ホラーというもの、パニックムービーをこうした比喩的な表現で見せていく作品を個人的に好む為、思った以上に楽しめた。