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テッド・バンディのAoiのレビュー・感想・評価

テッド・バンディ(2019年製作の映画)
3.8
Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile

ジョー監督のトークイベント付き試写会きて

1月、2月に予告が公開されて密かに楽しみにしていた作品

ザックがかっこよすぎて役そのものを肯定する人に対し被害者の遺族が非難しているというニュースを見て、今作では被害者に対する敬意を持ちながらテッド・バンディという男が幸せな家庭の裏でいかに女性を虜にし騙し悍しい行為をしていたかという事実を映像にすることが重要だった

そして今回、監督の話が聞けて本当良かった
遺族への敬意は私の想像以上だった
ジョー監督はNetflixで配信中の”Conversations with a Killer: The Ted Bundy Tapes” (こちらはテッドバンディのドキュメンタリー) と同時制作で作ったとのこと
これまでテッド・バンディの映画は数多く作られていたが今作はLiz目線で見る映画だった

だから犯行シーンなどを予想していた人にとっては想像していたのとは違った等の理由で低評価になりかねないのもわかる

ただ、この映画は自分の近くで信頼している人が表では完璧に良い人を演技し裏では殺人者がいるということを警鐘しているのだ
逆に言えば、サイコパスは潜んでいてどこかでは誰かにとって身近な人なのだ
監督自身、娘2人がテッドバンディについて知らなかったことがこの映画を作ることに繋がった一番の決め手だそう
さらにエンドロールでは被害者の名前が全て、一つひとつ読める長さで流れる
その長さが不快に感じるほど、でもこれは彼がどれだけの命を奪ったのか実感して欲しいからだった

高い知能の無駄遣い、君は使い方を間違えた、良い弁護士になれたのに残念だ
と言う裁判長の言葉が痛いほど共感できる

表面の顔は完璧なのだ、恋人を心から愛し、子どもも好きで家事もする
元同僚までも犯罪者である立場でも信頼させて無罪を信じこまてせしまう
完璧に演じてたからこそこんなに多くの命が奪われてしまったのだ…

有罪だと知っているのに、もはや無罪だと思ってずっと観ていた

最後の電話のシーンはリズがテッド自信に自分がやったと吐かせたという記録から監督が会話を想像し、リズを罪悪感と過去から解放させたという

個人的に一番ビックリしたことは、元同僚で途中からテッドを支えることになったキャロルが、パイレーツ・オブ・カリビアン5でカリーナを演じた女優さんKayaだったこと
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