アメリカで実在したシリアルキラーの話で、何も知らずに観た方が面白いだろなと思った。
とにかく最後の最後までテッドが本当に犯人かどうかはっきりしないまま進むので、事件解決を急ぐ警察による悲劇の冤罪にも見えるし、完璧に感情を隠してる恐ろしいサイコパスにも見えてきて、彼に呪縛され続けるリズに最後まで感情移入しまくりだったね。
テッドの愛読書として登場する「パピヨン」が彼の心の支えになってて、脱獄に備えて飛び降りの練習をする姿に映画版のマックイーンの不屈の精神が懐かしく思い出された。
役者ではリズを演じたリリー・コリンズが可愛すぎて見惚れた。ザック・エフロンも役にハマってて、本人そっくりなのがびっくり。ジョン・マルコヴィッチをスクリーンで見るのは超ひさびさで、貫禄の演技が素晴らしい。
テッドがリズと部屋でラブラブなところにベートーヴェン第九の第二楽章をかけるセンスがちょっとゾッとするのと、ラスト近くでなぜかモーツァルト「魔笛」の夜の女王のアリアの一節が流れたのが印象的。エンドクレジットでその曲名が”Truth”ってなってたけど、原曲のタイトル(というか歌い出し)は「復讐の炎は地獄のように‥」だよね。