虹島流浮

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンの虹島流浮のレビュー・感想・評価

4.3
石油をめぐる争いといえば『ジャイアンツ』(1956)、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)、権力を維持したい者とそれを掴みたい者との争いは、人間の善悪の境界線や恥じらいのない人間らしい欲望の塊が描かれるので映画としては安定の面白さを誇ります。

権力者に人生を操られ狂わされるのは勘弁です。目先の金に惑わされても翻弄されないように。
踏みとどまる判断力と踏み込んでからの抑止力をもちたいです。

終盤の闇を振り払って家族への愛に揺らぐプリオ刑事の表情に、彼のこの役柄は意外と今まで観たことなかったなぁと思い(ドラッグの誘惑に負けそうになる若者を演じた『バスケットボール・ダイアリーズ』を彷彿としました)、まだまだこの人は演技で魅了し続けてくれるのですね、と楽しみが増えました。

リズミカルな低音が良い。
スコセッシは安定に駆け抜ける。