マオ

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのマオのレビュー・感想・評価

4.0
もしかしたらスコセッシとデニーロを劇場で観れるのは...(長生きしてね)と思い、絶対に映画館で観たかった作品。皆言ってますが上映時間驚異の3時間半。3時間半に感じなかった!あっという間だった!というタイプの映画ではないと思うので普通に長かったですが、飽きさせない面白さを出せるのはやはりスコセッシの手腕かな、と。実話ベースの話なんであんまり盛り上がり見せるとかないかな?と勝手に思ってたんだけど映画としてめちゃくちゃ面白かったです。冒頭の石油のシーンでコレ映画として絶対おもろいやろ、と思わせるのは凄い。音楽も良かった。中盤でFBIが出てきてから更に盛り上がり、映像に釘付けでした。この作品、本当はディカプリオはFBIの方やる予定だったけどアーネストをやりたいと志願したそうで。大成功じゃないですか、その判断。全部が中途半端な男アーネスト、それを演じるディカプリオの演技はマジでバケモン。ハリウッドの俳優の演技とか上手いか下手とか正直分からなかったけどディカプリオはわかる、めちゃくちゃ演技上手い。金も女も好きだというアーネスト、本当にクズなんだけどそれでもこの人モリーの事は本当に好きなんじゃないの?と冒頭と最後のシーンで思えて、どうしようもない気持ちになった。最後にモリーに真実を教えて、と聞かれてもし本当のことを言っていたら彼の未来は変わってたんだろうか。モリーに対する愛は本当なんじゃないの?と思いつつデニーロ叔父さんからの洗脳によって真実が何かも区別がついてなさそうなアーネスト、その中途半端さと愛らしさとクズさと家族を思うパパ...色んなものが混ざってんだろうなとこちらに思わせるディカプリオの表情が本当に凄かった。モリー役のリリー・グラッドストーンさんもめちゃ良かった。モリーは綺麗だし、品があって聡明なんだろうなとこちらに伝えてくれる演技がとても良かった。デニーロおじさんはもう、言わずもがな、人が良さそうな顔しといてとんでもない鬼畜。もう生い先短そうなのにそんな金欲しいのかよすげえな。自分のことを本当にキングだと信じてやまないヘイル。一生傲慢、文明をオセージ族に与えてやったのは俺、心の底からオセージのものは私の友達だよ。サイコパス!!!というのが感想。最後にスコセッシが出てきますが、てっきりもうこれで映画は終わり!なんていう意味も込められてるのかと思ったけど勘違いでした。もう4本もつくる計画があるそうです。やっぱり長生きしてね。

以下個人的に凄❗️と思ったところや気になったところなど雑メモ。
・ディカプリオの歯がめちゃくちゃに汚い。多分わざと。
・ハエがいっぱいでてくる、インディアンにたかるハエって意味かな?どういう意味だろ。
・最後スコセッシ登場。
・最後の劇、見た感じ白人しかいなかった。これも多分わざとなんだろう。
・映画を観るシーンが多い。
・フィルムフッテージ的な
・デニーロ叔父さんによるお尻ぺんぺん(ハード)
・ママの死に際に現れためちゃ赤な人たち(🦉もだけど、こういう描写を入れてるのも映画としての面白さが出てる。)
・FBI捜査官をディカプリオがやっていたらおもんないので(結局いい白人の話ぢゃん!となる)素晴らしい選択。
・太りすぎてだれか分からんハムナプトラ。
・スコセッシのディカプリオ。
・神とか聖書とか赦しとか。
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