かわ1970

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのかわ1970のレビュー・感想・評価

4.5
上映時間が3時間半である事を感じさせないという話を聞いていたが、確かに「あれっもう終わり」というくらいの体感時間だった。
ディカプリオが演じるアーネストがロバート・デ・ニーロ演じるキングの言うがままに逆らえず、どんどん窮地に追い込まれていく様子がとてもリアルだった。

困っている時、親切にそして時に厳しく巧みに操られ、洗脳に近いことが行われている様子が観ていて怖い。
またキングが先住民に行っていることは、中国とウイグルの関係にも似ていて、いま現在も海を挟んだ隣国で行われていると考えるとゾッとした。
しかもこの映画では、個人の犯罪を国が罰してくれたが、ウイグルでは国自体の蛮行で、助けてくれるところがない時点でより悲惨だと思う。なんとかこの問題は解決に向かわないのだろうか?…

ストーリーは面白くグイグイ引き込まれ、最後まで一気に観られるのだが、個人的には終わり方は今ひとつな気がした。
映画が広まる前からこのような形で語り継がれてきたのかもしれないが、少し興醒めしてしまった。

インディアンの居場所が少しずつ奪われていく様子が描かれているが、それは過去の出来事ではなく、場所によっては現在も行われているし、日本も形こそ違えど、こうならないとの保証はないことを認識しておかねばならないと思う。
かわ1970

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